またもや舞台は雪野原



彼女が現れるときは、いつもと言っていいほど雪の野原だ。

彼女のその白い肌のような穢れのない真っ白な新雪

いつもは、その上で佇んでいるだけだった。それだけだったはずなのに・・・





その夢では違っていた。

すぐ隣に、間近に触れ合う距離にいた。

何かの間違いだとも思いつつ、物語は進んでいく。



彼女と私は、陸上の長距離選手。

長いブランクから明け、私は戻ってきたようだ。

そして、監督の指示を受け、彼女と練習をし始めた。

やはり、とまどいを隠せない私をよそに、彼女は淡々と練習を進めていく。



そしてふたりは、いよいよ長距離の走り込みを始める。

久々に長い距離を走るとあって、私はスピードを落としてくれる彼女に付いていくのもやっと。

と次の瞬間、クロスカントリーのレースに切り替わっていた。

クロカンとは言っても、SBRのようなどんなコースでもありのレース。

体力勝負がかなわないと分かって、私はショートカットを連発しながらゴールを目指す。



ゴールが認められるのは、日付が変わる直前まで。

陽もとうに落ち、月明かりの下、私は走り続けた。

疲れ、朦朧とした意識の中、ゴールすることだけが私の頭を巡っていた。



もうすぐゴール、とその時、鐘が鳴り始めた。

12時を告げる鐘の音だ。

鐘が鳴り終わったときが、ゴールが閉められるとき。

最後の力を振り絞り、体を投げ出すようにゴールへと向かう。

鐘が残り、あと3つ・・・

2つ・・・

1つ・・・



間一髪、閉まりかけたゴールに私は体を滑り込ませた。

なんとか間に合ったようだった。ゴールした達成感とともに、意識は薄れていった。。。



目覚めてみると、エンディングのようだった。

となりには、大好きな彼女が一緒に。

これからどんな未来が開けるのか、期待せずにはいられない終わりだった。